あの景色が見たい。

バイクツーリングと読書と日々諸々

空中ブランコ

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空中ブランコ』 奥田英朗



今年の冬はあまりにも寒く

なかなかバイクに乗る気が出なくて



休日は、部屋に隠って「読書」をしている。



さて、


今回の小説は、


病院の「神経科」に

通うことになる5人の物語集。



表題の「空中ブランコ」は、

花形サーカス団員である

空中ブランコ師のスランプを題材に

人と人との信頼関係を描いている。


花形空中ブランコ師が思う

ブランコの受け手への心情を

自分の日々と重ねてしまった。


ハリネズミ」は、

突然、

尖端恐怖症になったやくざの物語。


尖った物を見ると怖くて汗だくになり、

恐怖で、じっとしていられなくなる。


読んでいて一番面白い物語だった。



私的な、

全体の読書感想として



人は、いつも

順風満帆の人生を歩いているわけではない。



人が羨む有名人でも

嫉妬心や病気などでやる気を失うこともある。



皆どこかで、自信をなくし、つまずく。


しかし、

それを乗り越えて進んでいくしかない。


時には、人からの叱咤激励もあり


そして、

友人や家族に助けて貰いながら生きていく。


皆、


「同じように悩んでいる。」


そう、


「大したことないよ。大丈夫。」


そう思わせる小説だった。


自身喪失している人におすすめの一冊。