『心淋し川』 西條奈加 著
第164回 直木賞受賞作品
極力ネタバレなしですすめたい。
千駄木町の一角、
心町(うらまち)という長屋で
わけありの人々が、織り成す物語6集。
第1話の恋する長屋の娘の話や
特に
第3話の親子の話は、面白い物語だった。
そして、
最後の第6話まで、一気に読んでしまった。
人は、何かしら心の中に
人それぞれの問題を抱え、
それを解決したくて日々を暮らしている。
誰もが思う
「幸せに成りたい」
なんて自分は、ダメなんだ。
いや、そうじゃないよ。
心の中は、皆、同じ。
読書感想としては、
そう言っている物語のような気がする。
過去に
「何があったか きかぬのが、心町の理」
という、
最後のセリフが、実に印象的だった。
寒い今どきに
心、暖まる一冊だった。