『意識のリボン』 綿矢りさ著
8つの短編小説が、一冊になっている。
この小説家の本を読むのは初めて。
第130回の芥川賞作家である。
読書感想として、
いつものように極力ネタバレなしですすめたい。
どの話も全体的には、
女性目線から見た、自分自身の内面的な話で、
男性でも同じ感覚で共感出来ると思う。
特に、
「怒りの漂白剤」は、
日常の何気ない生活で、だれにでもいつでも
起こりうる怒りが、私的に共感を持った。
そして、
「声の無い誰か」は、
通り魔殺人事件を題材にしていて、
心の中の不安やネガティブな心配事を如実に
表したミステリー小説で、
読んでいくと、TVドラマを見ているかのように
場景の中に、心が入り込んでいく。
この本最後の
「意識のリボン」は、
事故で生死をさまよう女性の心の内を書いた、
家族愛溢れる、センチメンタルな内容だった。
自分自身の
日常生活の中にある、不平不満。
「このことが、
なんで理解できない人がいるのか。」
というようなことを思う日々を
送っている人におすすめしたい一冊。