あの景色が見たい。

バイクツーリングと読書と日々諸々

意識のリボン

f:id:xlr250-1993:20200401170408j:plain

『意識のリボン』 綿矢りさ

8つの短編小説が、一冊になっている。

この小説家の本を読むのは初めて。
第130回の芥川賞作家である。


読書感想として、
いつものように極力ネタバレなしですすめたい。


どの話も全体的には、
女性目線から見た、自分自身の内面的な話で、
男性でも同じ感覚で共感出来ると思う。


特に、
「怒りの漂白剤」は、

日常の何気ない生活で、だれにでもいつでも
起こりうる怒りが、私的に共感を持った。


そして、
「声の無い誰か」は、

通り魔殺人事件を題材にしていて、

心の中の不安やネガティブな心配事を如実に
表したミステリー小説で、

読んでいくと、TVドラマを見ているかのように
場景の中に、心が入り込んでいく。


この本最後の
「意識のリボン」は、

事故で生死をさまよう女性の心の内を書いた、
家族愛溢れる、センチメンタルな内容だった。


自分自身の
日常生活の中にある、不平不満。
「このことが、
なんで理解できない人がいるのか。」

というようなことを思う日々を
送っている人におすすめしたい一冊。