『赤い追憶』 阿刀田高 著
短編11話のミステリー小説。
極力ネタバレなしですすめたい。
私的にインパクトがあったのが、
初めの「薔薇配達人」。
結婚したが、
妻の仕事内容や業種を知らないまま過ごす。
夫が、聞いても適当に答える妻。
ある日、
街で民家に入っていく妻を見かける。
妻の仕事とは。。。
そして、
ゾクッとする話、
「犬を飼う女」
妄想癖がある女。
その女は、
古いマンションにひとり暮らし。
日中は、
仕事で犬の世話が出来るはずがない。
部屋から犬が、吠えることもない。
最後にその謎が、解る。。。
「白い蟹」、「迷路」ともに、
話が、怖い。。。
一話だけ、ちょっとコミカルな
「女系家族」
妻は年に一度、自分ひとりで
外泊することを許可条件として
夫と結婚する。
妻は、年に一度どこでなんの目的で、
外泊しているのか?
それを探る夫の行動が、実にコミカルだ。
「土に還る」
話の中心が、京都大原三千院。
父親とその息子の話。
この父親は、
寡黙でひとりで行動することが好き。
妻亡き後、
自宅や家財道具を売却し、放浪の旅に出る。
その父親を
出張ついでに京都観光していた息子が、
京都大原三千院で父親を見かける。
バイク乗りなら、
この父親の気持ちが、よくわかるのでは。
私的に
老後の参考になった。
奇妙な物語好きな方へおすすめの一冊。
初めて読んだ、「阿刀田高」作品。
とても面白い本だった。