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田舎のポルシェ

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『田舎のポルシェ』 篠田節子 著

全3話収録の小説。



表題の「田舎のポルシェ」

そして「ボルボ

最後に「ロケバスアリア」


全ての物語に

車が登場するのだが、


どの車も皆、

大切にされているのが、

とても印象的だった。


中でも

ボルボ」が、一番面白かった。



還暦前後の男二人が、

20数年間、乗り続けているボルボ

道南を旅することに。



そのボルボは、



主人公が、まだ若いときに購入。



憧れて欲しかった車なので、


還暦までずっと乗り続けてきて

愛情をたっぷり注いできたのだが、



ここ数年、経年劣化でオンボロとなり


突如、エアコンが効かなくなり、

助手席に乗っていた妻から

嫌みなほどの

苦情や罵声を浴びせかけられて


その上、ドアから雨漏りが止まらず、


修理や維持費が、

あまりにかかり過ぎるので



早く、新しく軽自動車にしなさいと

妻に言われて、しょげていた。


そこで、


車と最後の旅をしようと計画。

そして、友人を誘う。


実は、

旅の目的が違う、男二人のやり取りが、

実に面白かった。


さて、ボルボは最後にどうなるのか。


定年前後の人達や

車、バイク、

旅好きな人にオススメの一冊。